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ネジ溝加工における逃げ溝の確保について解説プラスチック加工のワンポイント講座


シャフト形状にネジ切りをする際に、全箇所をネジ形状に設計することはできません。
根本の箇所にバイトが当たり、その部分にネジ加工ができないためです。
また、切削工具の先端が丸いためR形状が残ります。
そのまま加工をすると、根本部分はネジとしての機能を持ちません。
この箇所のことを「不完全ネジ部」と言います。

この不完全ネジ部がある状態だと、相手部品であるメスネジに嵌めきることができなくなる場合があります。
そのため、ネジ部の根本には逃がし(ネジの場合はヌスミといいます)の溝を加味した設計が必要です。
また、メス側のネジを切削加工する際もヌスミ溝の設定が必要となり、通常メスネジの一番深いところに逃しを作ります。

以下の動画は実際のネジ逃がし切削加工の様子です。

逃がし無しの加工では、根本に刃物の当たらない箇所が残ってしまい、嵌合相手の根本まで締めることができません。これが不完全ネジ部です。
一方、先にヌスミ溝を作ったネジは、根本部分もネジとしての機能を持っているので嵌合相手にぴったり入れることができています。

このヌスミ溝の幅は加工するネジのピッチ(ネジの山間の長さ)に合わせて設定します。
目安としては、ピッチの1.5~2倍程度の寸法になります。
「JIS B 1006」に不完全ネジ部の長さ・ネジの逃げ溝の形状寸の規定があります。
逃し溝加工をすることで、オスメスをしっかりと嵌合させることが可能です。

強度が気になる場合の対応策

こういったヌスミ溝を作る際に、芯幅が細くなることにより強度が弱くなるのでは、というお問合せをいただくことがあります。
強度が気になる箇所には、ヌスミ溝をR形状にすることで応力の集中を避け、破損しにくくすることができます。
しかし、加工の工程が増えるためその分コストアップすることにも注意が必要です。
特に強度が必要な部品の場合にはご検討ください。

強度の問題から不完全ネジ部を残した状態でのネジ作成をすることがあります。
その場合、相手側のネジ入り口に不完全ネジ部を逃がせられる大きさのC面取りをすることで嵌合が可能です。

実際に図面で指図する際には、不完全ネジ部が不要な旨を記載する必要はありません。
逃しの溝を入れたいけど寸法がわからない、という場合は「逃げ可」や「逃げ溝」など、加工者が分かるように記載することで加工は可能です。

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