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内径バリの発生原因と抑制・除去方法を解説

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内径バリは穴あけ加工をした際に生じる、穴の内側に生じるバリです。
バリとは、プラスチック・樹脂や金属を加工する際に加工面に発生する不要な突起です。

どんな時に内径バリは発生するのか

ドリルの長さが足りないような長い貫通穴をあける加工では、穴の半分長まで空けてからワークを持ち替えて、反対側からも穴加工をします。この時、持ち替えた際に生じる軸のズレ、そして工具が加工対象から抜けて貫通する時に中心の交差部分に内径の段差・バリが発生します。

穴あけ加工をする際は基本的に、ドリル加工と中ぐり加工で仕上げをすることで加工面を綺麗に仕上げます。しかし、内径の大きさや深さによっては中ぐりバイトが入らないため、バリの除去の難易度は上がります。

内径バリを放置するとどうなるか

バリは意図しない形状です。バリを放置すると、組み立てや動作の支障になることがあります。さらに、オイルなどが通る穴の中に発生したバリは、使用中に流れて別の場所に詰まることもあります。これにより、機械の故障や人の怪我に繋がる恐れがあるため、発生したバリは取り除くのが基本です。

内径バリの抑制方法

切削加工において、バリの発生は避けることはできません。しかし、切削抵抗(切削時にワークが刃物から受ける力)を減少させることでバリの発生を抑えることができます。切削抵抗を減少させるための加工方法に以下3つの方法が挙げられます。

  • すくい角を大きくする

すくい角を大きくする(刃先ですくいとる角度を被切削物に並行な側へ近づける)ことで切り屑厚みが減り、小さい剪断応力で切削できます。

  • 切削面積を小さくする

刃物と被切削物の接する面が減るので、その分刃物そのものにかかる負担が減ります。

  • 切削速度を速くする

切削速度を上げると接触面と刃物の触れる時間が短くなります。その分剪断面に熱が集中しやすく、高温で素材が軟化し削りやすくなります。

内径バリの除去方法

内径が小さい場合はピンセットでバリを1つずつはさんで取り除き、内径が大きい場合はカッターを使ってバリに沿ってカットすることで、届く範囲でバリを除去することができます。

また、バリの除去のしやすさには材質によって差があります。粘り気の強い素材は、バリが発生してもカッターやピンセットでの除去が難しいです。バリ除去のしにくい材質例としてPPやPEが、バリ除去のしやすい材質例としてはPOMが挙げられます。

湯本電機では切削加工から3Dプリントまで、様々なプラスチック加工に対応しております。
対応可能な加工については「プラスチック加工・樹脂加工 加工方法一覧」へ。

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