PVCへの材質変更で強度向上とコストダウンを実現
使用材質 PVC(塩ビ)の事例
PMMA(アクリル)で製作したカバーのねじ穴部分からひび割れを起こしてしまうので、新しく作り直したいという内容のご相談を頂きました。これはカバーの開閉の際に、ねじ穴に衝撃が加わり、それが繰り返されることで割れていっているようでした。
このカバーは作業中の接触事故を防ぐものであり、かつ中の様子を確認するためのものです。実際のヒアリングでは、「透明度は必要であるが中の物が見える程度で良い」とのことでした。そのため透明か半透明の材質で製作することが要件となります。
透明樹脂の候補としては、アクリル以外にはポリカーボネートやPET、塩ビが挙げられます。アクリルはこの中では耐衝撃性が低い材質で、これ以上の強度を持つ材質としても上記3つが候補になります。
また、材質変更以外での解決方法もあります。今回の破損はねじ穴部分からですが、このねじでの連結部分を接着や一体加工での製作に切り替えることでねじ穴部分からの破損を防ぐことができます。しかし、ねじ穴部分からの破損が無くなっても、繰り返される衝撃に対する破損は防げない可能性はあります。
そこで、構造上の弱点であるねじ穴部分からの破損を防ぐために、ねじで繋いでいた箇所を接着加工での仕様に設計変更を検討して頂きました。さらに、同時にカバー全体の強度を高めるために、材質変更をアクリルからポリカーボネートかPVC(塩ビ)への変更を提案しました。
この提案した2つの材質は透明度はアクリルよりは若干劣りますが、カバー内部を見る分には問題のない透明度です。ポリカーボネートは特に衝撃に強い材質でプラスチック材質の中でもトップクラスの耐衝撃性を持ちます。塩ビはアクリルより強度に優れ、さらに安価な汎用的な材質です。
最終的には、設計変更によるコスト増を避けながら解決したいとのリクエストがあり、ねじ穴部分はそのままに塩ビへの材質変更での製作となりました。
【お客様の声】
かなり前に作っていただいた加工会社さんが廃業してしまったので、新たにプラスチック加工会社をネットで調べて問い合わせしました。数社から見積りをいただきましたが、湯本電機さんの営業担当の方が親身に提案してくださって、ここなら信頼できると思い発注しました。
ひび割れの問題は解消され、安心して作業できるようになりました。ありがとうございます。
(製造業/東京都)
今回の提案事例内のプラスチック材質紹介
当社では以下の材質の切削加工に対応します。
ポリカーボネート
プラスチック材質の中で最高クラスの耐衝撃性を持つエンジニアリングプラスチックです。
PMMA(アクリル)
光透過率が約93%の透過性の高いプラスチック材質です。ガラスの10~16倍の耐衝撃性があり、破損した際に破片が飛び散りにくい特徴があります。
PVC(ポリ塩化ビニル)
五大汎用樹脂の1つで、プラスチック材質の中でも比較的安価な材質です。
PET
耐衝撃性がアクリルより優れ、燃焼しても有毒ガスが発生しにくい材質です。
樹脂加工・プラスチック加工は湯本電機にお任せ下さい。
短納期で高品質の樹脂加工品を大阪・東京から全国へお届けします。
湯本電機では切削加工から3Dプリントまで、様々なプラスチック加工に対応しております。
対応可能な加工については「プラスチック加工・樹脂加工 加工方法一覧」へ。
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機械・装置のカバーには、内部を確認する意図で透明樹脂が使用されることもあります。透明樹脂の候補としてはポリカーボネート・アクリル・PET・塩ビなどが挙げられます。これらは強度や耐性のある薬品・溶剤、価格など異なる点が多く、使用条件に合わせて最適な材質を選ぶ必要があります。