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帯電防止グレードのアクリル板を接着加工でカバー製作

最適加工法提案
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使用材質 PMMAの接着加工事例

製造機械のための安全カバーにPMMA(アクリル)を使用していましたが、静電気で埃やゴミが付着しやすく、掃除の回数が多いため、別の材質に変更したいというご相談です。

カバー内部の視認性の確保が目的であるため、ポリカーボネート・アクリル・PVC・PETなどの透過性のある材質がまず候補に挙がります。これらの材質には帯電防止グレード・制電グレードが存在し、埃やゴミの付着を防止することができます。

帯電防止膜は接着加工に適さない

今回は制電グレードのアクリルに材質変更をすることになりました。この板には表面に強力な帯電防止膜が施されています。製作するカバーは、元々接着加工が必要な形状でしたが、この帯電防止膜は接着することができません。

帯電防止膜を部分的に削って接着加工を可能に

そこで接着箇所の帯電防止膜をマシニング加工により削り取る工程を加えました。膜を剥がせば通常のアクリル同様に接着加工が可能なので、これにより該当箇所のみ接着ができます。今回はこの方法で帯電防止グレードアクリルの安全カバーを接着加工で製作することができました。

今回の提案事例内のプラスチック材質紹介

当社では以下の材質の切削加工と、曲げ・接着加工に対応します。

PMMA(アクリル)

アクリル

光透過率が約93%の透過性の高いプラスチック材質です。加工により切削面の透明度は失われますが、研磨や蒸着によって仕上げることで高級感のある透明度に戻ります。一部の薬品に対してクラックが発生する恐れがあります。

ポリカーボネート

ポリカーボネート

プラスチック材質の中でも最高クラスの耐衝撃性を持つエンジニアリングプラスチックです。光透過率は80~90%で、PMMAと比べると少し曇ったような印象のある透明度です。切削面を研磨・蒸着処理をすれば製品内を透過して確認する用途で使用可能です。

PVC(ポリ塩化ビニル)

塩ビ(ポリ塩化ビニル・PVC)

五大汎用樹脂の1つで、比較的安価で加工性にも優れた材質です。材質選定でのコストダウンを考える際には、まず候補に入ります。光透過率は80%程度で、構造内部を確認できる機械装置のカバーとしても使用可能です。

PET

PET

光透過率は約87%で、耐衝撃性がPMMA(アクリル)よりも高いエンジニアリングプラスチックです。

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対応可能な加工については「プラスチック加工・樹脂加工 加工方法一覧」へ。

担当者からのコメント

今回は通常は接着加工できない帯電防止グレードのアクリル板が課題でした。

表面に帯電防止膜が付いているタイプであれば、この膜を削る・溶かすなどの処理をすることで接着加工ができるようになります。溶剤により溶かす場合は接着箇所以外の場所の膜が無くならないようにマスキングしておく必要があります。

また、帯電防止グレードには帯電防止膜を表面に形成しているものと、素材内に混ぜて製造しているものがあります。後者の場合は接着加工は困難であるため、ビス止めでの接合などの他の加工方法を考える必要があります。当社では接着加工・曲げ加工・ビス止めによる接合のいずれの手加工にも対応可能なので、条件に合わせた加工方法を提案させて頂きます。

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