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素材technology

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PTFE


名称

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン:フッ素樹脂)

PTFEの特徴

PTFEは耐熱性・耐薬品性・耐摩耗性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックです。
耐薬品性と摺動性が特に高く、摺動部品への使用が多い素材です。

連続使用温度は260℃、融点は327℃です。
耐寒性が高く、-250℃までの低温環境で強度を維持することができます。
使用可能な温度域が広い反面、温度による体積変化が大きい素材です。

製品に組み込む場合は、温度によっては膨張して入らない場合があります。
その際は冷やすことで収縮し元の寸法に戻ります。

PTFEは削りやすい素材ですが、バリが発生しやすいため、機械加工後の処理が必須です。
特に液体などが通る穴のバリ取りには品質への注意が必要です。

機械的強度

耐衝撃性(アイゾット衝撃強さ 150-160J/m)に優れています。
衝撃による割れや欠けは発生しにくいですが、衝撃による変形が起こりやすく落とすと打痕がつくことがあります。

耐熱性

連続使用温度は260℃とプラスチック素材の中で高い耐熱性を持つ素材です。
-250℃までの低温でも使用することができます。

難燃性

PTFEは燃焼性がV-0相当の難燃性の素材です。
酸素と結合しにくい分子構造のため、燃えにくく燃えひろがりにくい特徴を持ちます。

摺動性

摩擦係数がプラスチック素材の中でも小さく滑りやすい特徴を持ちます。
摩耗に強く摺動部品などに利用されます。

《使用・PTFE加工の際の注意点》

寸法が温度により変化しやすく、気温によっては組み立て前に温度調整が必要な場合があります。
バリが発生しやすい素材であるため、機械加工後の処理が必要です。

外観

表面の手触りは非常に滑らかです。
白色

用途

食品機械、医療機器部品、半導体装置、液晶関連部品、ローラー、実験器具

PTFE加工品の使用例

医療産業

PTFEは多くの薬品に対して耐性を持つ耐薬品性の優れたプラスチックで、かつ高い耐熱性を持つため、薬剤や高温での滅菌や洗浄に適しており、医療現場で使われる製品に利用されています。例えば、分析装置の部品、人工心臓の部品、人工透析システムの配管、カテーテル用部品、内視鏡部品などです。また、従来はゴムやシリコンで作られていた注射器やチューブなども、PTFEに素材変更しているケースもあります。

加工機械

PTFEには非粘着性と撥水・撥油性が高く、ほとんどの物質を固着させない特性があります。離型性(くっついてもすぐに剥がせる性質)もあり、粘度の高い物質も滞留させないことから、食品製造工程や印刷機などの機械部品や撹拌機に採用されています。また、非粘着性により使用後の洗浄工程を効率化できるメリットもあります。

半導体機械装置

主に薬液容器・配管・配管継ぎ手・ウエハーキャリア・バルブ・ポンプ・ベローズ・ダイヤフラムなどの半導体製造装置に利用されています。半導体の製造過程では様々な種類の薬液を使用し、その中には強酸や強アルカリのものがあるため、これらに接触する部品の材料として、高い耐薬品性を持つPTFEが採用されます。

取扱規格表

板材 丸棒
ナチュラル色 ナチュラル色
厚み(mm) 幅×長さ(mm) 外径(φ) 長さ(mm)
3 500×500 7 1,000
4 500×500 8 1,000
5 500×500 9 1,000
6 500×500 10 1,000
7 500×500 11 1,000
8 500×500 12 1,000
9 500×500 13 1,000
10 500×500
620×620
14 1,000
11 500×500
620×620
15 1,000
12 500×500
620×620
16 1,000
15 500×500
620×620
17 1,000
18 500×500
620×620
18 1,000
20 500×500
620×620
19 1,000
25 500×500
620×620
20 1,000
30 500×500
620×620
22 1,000
35 500×500
620×620
23 1,000
40 500×500
620×620
25 1,000
45 500×500
620×620
26 1,000
50 500×500
620×620
28 1,000
55 500×500 30 1,000
60 500×500 35 1,000
65 500×500 40 1,000
70 500×500 45 1,000
75 500×500 50 1,000
80 500×500 55 1,000
85 500×500 60 1,000
90 500×500 65 1,000
95 500×500 70 1,000
100 500×500 80 1,000
90 1,000
100 1,000
120 1,000
150 1,000
155 100
160 100
165 100
170 100
180 100
185 100
190 100
195 100
200 200
215 100
220 100
230 100
250 100

取り扱いメーカー

株式会社アイワ
株式会社バルカー
ニチアス株式会社
淀川ヒューテック株式会社

特性

比重 2.14
耐熱温度 -250℃~260℃
電気特性 絶縁
寸法安定性 ×
耐摩耗性
耐衝撃性
すべり特性

加工事例

PTFE テフロン
素材のワンポイント講座

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提案事例PTFE テフロンに関連する提案事例をまとめました

PTFEへ材質変更でコネクター製作治具の焦げ付き匂いの解決

使用素材 PTFEの事例

以前までベークライト製治具を使用していたが、使用中に異臭が発生するため解決できる素材で作り直して欲しいというご相談です。

異臭の原因

実際に使用していた治具は焦げ付きが発生していました。
治具の使用時に摩擦による熱で、ベークライトの連続使用温度を超える高温状態になっていたと考えられます。
熱硬化性樹脂であるベークライトは、連続使用温度を超えても溶けることはありませんが、焦げ付きが発生します。
この焦げた時の匂いが今回の異臭の原因であったと推測されます。

PTFEへの材質変更で摩擦による問題を解決

使用用途から、該当の治具は摩擦と高温状態になることを考慮した摺動性と連続使用温度の高い素材に変更することが適切だと考えられます。
治具のすり減り具合からも、匂いだけでなく摩耗により精度の悪化も懸念されたためです。

そこで今回はPTFEでの製作を提案させて頂きました。PTFEは耐熱性・摺動性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックです。連続使用温度は約260℃と高く、難燃性であるため燃えにくく自己消火性があります。摩擦係数が小さく、摩耗しにくいため摺動部品などに利用されます。

強度面についても十分であるということで採用して頂き、匂いの発生と治具精度の悪化を防ぐことができました。

【お客様の声】

候補素材について丁寧にご提案いただき、ありがとうございました。
色々な樹脂素材を扱っているということで、アドバイスも納得の行くものでした。
適切な素材を選ぶことができました。
(製造業/広島県)

まとめ

この事例では摩擦耐熱温度の2つが課題でした。今回は他の条件などを考慮しPTFEを選定していますが、実際には摩擦に強く耐熱温度の高い素材は他にもあります。ベークライトのようなフェノール樹脂にも高摺動性の素材があり、他のエンジニアリングプラスチックにも摺動性グレードが存在するものもあります。

ちなみに、ベークライトの通常グレードの難燃性はUL規格だとHBに相当します。これは燃えにくいですが、自己消火性はないことを示しています。今回のように摩擦により焦げ付きが発生するような環境で使用を続けていると、発火した恐れがあります。自己消火性がないためそのまま燃え広がり火災に繋がるリスクがありました。ベークライトにはUL規格でV-0に相当する難燃性を持った難燃ベークライトが存在します。こちらは燃えにくく自己消火性を持った材質で、PTFEと同程度の難燃性素材です。今回は摩擦とそれによる摩耗が別の問題を発生させていることも判明したので、これらの問題を解決できる素材を提案させて頂きました。

湯本電機では、お客様のご予算などの条件に合わせての材質・加工方法変更や設計変更提案といった「込み入った案件」を得意とします。まだ具体的に決めることができていない、といった案件でも完成までご相談頂けますので、お気軽にお問い合わせください。

今回の提案事例内のプラスチック素材紹介

ベークライト

ベークライト

耐熱性・機械的強度に優れた汎用的な素材です。硬度が高く引張強度に優れますが、衝撃による欠けや割れが発生しやすい側面もあります。フェノール樹脂と基材(紙や布)の積層板であり、基材部分は摩擦に弱く摩耗しやすい特性があります。

PTFE

PTFE

摺動性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックです。連続使用温度が260℃と高く、引張強度・耐衝撃性にも優れています。膨張率が高く、温度による寸法変化が起こりやすい材質です。

樹脂加工・プラスチック加工は湯本電機にお任せ下さい。
短納期で高品質の樹脂加工品を大阪・東京から全国へお届けします。

湯本電機では切削加工から3Dプリントまで、様々なプラスチック加工に対応しております。
対応可能な加工については「プラスチック加工・樹脂加工 加工方法一覧」へ。

テフロンコーティングの耐久性の向上

構造変更で解決の事例

テフロンコーティングをしている搬送架台を採用しておられたお客様が、コーティングを長持ちさせることで、
搬送架台としての機能を維持し、搬送効率を良くする方法を考えておられました。

まずコーティングがどこから弱っているのかを調査したところ、表面のビスの箇所からコーティングが剥がれていました。
そこで裏より固定する設計に変更することで、表面には一切干渉物のない形状にしました。
結果、コーティングの剥がれ具合は良化し、スムーズな搬送ラインに生まれ変わりました。

弊社ではテフロンコーティング自体も取り扱っております。
テフロンコーティングとは製品の表面に膜を形成することにより、耐熱性やすべり特性などを付与する加工です。
PTFE、PFA、FEP、ETFEの4種類のテフロンコーティングを取り扱っています。

テフロンコーティングの種類と特徴はこちら

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UHMW-PE(ニューライト)へ材質変更でコストダウン

使用素材 UHMW-PE(ニューライト)の事例

海外製の機械を中古品で購入し、しばらくは使用できていましたが、故障したので分解して中を見てみると、PTFE製のローラーが破損していました。
メーカーに問い合わせると廃番となっており、部品の入手が不可能だったため、なるべく安くその部品を作って欲しいというご相談を頂きました。

使用環境や使用条件を伺うと、その部品は摺動性は必要ですが、PTFE程の耐熱性は必要ないことが分かりました。
そこでこの部品はUHMW-PE(ニューライト)での製作を提案させて頂きました。

UHMW-PE(ニューライト)は滑り特性に優れ、摺動部品などに使用される素材です。
また、スーパーエンジニアリングプラスチックであるPTFE(テフロン)よりも安価です。
この部品加工ではUHMW-PE(ニューライト)での製作を了承して頂き、過剰品質を防ぎ、コストを抑えることができました。

【お客様の声】
廃番となっていた部品でしたので、ダメもとで見積もり依頼を出させていただきました。
何社か依頼しておりましたが、元々同じ材質のPTFEで見積もっていたため、高額でした。
どうしようか悩んでいるところに、別の素材でも条件を満たしているのでどうかとUHMW-PE(ニューライト)をご提案いただき、お願いしました。
同じ材質じゃないとダメだと思いこんでいたので、別の材料でコストダウンをできたことに感謝しております。
(製造業/東京都)

【ワンポイント】
ご使用環境や用途によっては代替可能な素材があります。
過剰品質となる素材を選定すると、余分なコストがかかってしまいます。
ご使用環境や用途をヒアリングさせて頂くことで、最適な素材を提案することができます。

UHMW-PE(ニューライト)の素材ページはこちら

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