難燃性プラスチック材質の種類と特徴
難燃性とは 難燃性とは、燃えにくく、燃えても自己消火性を持つ材質を言います。プラスチック材質の物性において、難燃性を基準に材質選定をする機会があります。金属材質と異なり、プラスチックは有機物であるため…
樹脂・プラスチック材質には耐候性と呼ばれる物性があります。これは太陽光・温度・湿度・雨などの屋外の環境に対する耐性です。太陽光・紫外線や温度の変化によって変形・変色・劣化がどれだけ起こりにくいか表します。
耐候性が低いと屋外での使用中に下記のような変質が起こります。
変色
硬化
変形・割れ
屋外で使用による樹脂の劣化の分かりやすい例が洗濯バサミです。洗濯バサミの材質はPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)であることが多いです。加工性が良く安価な素材ですが、これらは耐候性の低い素材です。長期間屋外で使用した洗濯バサミが変色していたり脆くなっているのは、劣化が進んでいるためです。
この劣化の原因は主に4つあります。
太陽光・紫外線
雨水
酸素による酸化反応
朝昼夜の温度変化
耐候性が低い樹脂・プラスチック素材はこれらの影響を受けやすく、強度を保つことができません。屋外での使用を想定されるプラスチック部品は、素材の耐候性が重要な項目になります。
耐候性は屋外曝露試験で検査されます。屋外にサンプルを設置し、実際の天候による影響を見る試験方法です。ただ、同一条件下での再現は難しく、非常に長い時間が必要となるという欠点があります。
そのため、促進曝露試験による検査を行うことも多いです。光・熱・湿度等の劣化の原因となる条件を人工的に再現し、短期間で素材の寿命等を予測する試験方法です。検査結果の精度は屋外曝露試験の方が良いため、2つの試験方法が併用されます。
耐候性が高い素材には、アクリル・ポリカーボネート・PTFE・塩ビなどがあります。種類によって特徴も大きく異なるため、各素材の特徴を把握した上での選定が必要です。
透明度が高く、光透過率はガラスをも凌ぐ93%です。太陽光や雨風等の気象条件にも優れた耐候性を発揮する素材です。耐衝撃性にも優れているため、ガラスのように破片が飛び散りにくい特徴があります。また、接着剤を使った貼り合わせ加工が可能です。
使用用途:看板や自動車のランプレンズ、電飾サインのカバー、水槽など。チラシを入れるようなカタログケース等も接着によって製作可能です。
樹脂材質の中で最高クラスの耐衝撃強度を有しています。ハンマーで叩いても割れないため、防弾材としても使用されています。アクリルと同じく接着剤による貼り合わせ加工が可能です。
使用箇所:アクリルと同様、看板や電飾サインのカバーなどに使用されています。強度を活かしてベランダや駐車場の屋根や高速道路の防音壁にも使われます。
五大汎用樹脂の1つで、比較的安価で加工性にも優れています。耐薬品性に優れており、ほとんどの酸・アルカリ・塩類に侵されることがありません。接着・溶接加工が可能です。耐候性にも優れ、コストダウン目的での選定が多い素材です。
使用箇所:硬質塩ビは配管やダクト・水道管のパイプなどの工業用の製品に使用されています。軟質塩ビは衣類やバッグ類、ビニールハウスなどに使用されます。
※当社で加工可能なものは硬質な塩ビのみです。
PTFEはスーパーエンジニアリングプラスチックに分類される高機能樹脂の1つです。耐候性が高く、屋外での長期間使用による劣化が起こりにくい性質を持ちます。耐熱温度が非常に高く、耐摩耗性に優れた素材です。
PTFEそのものが部品の素材として使われるだけでなく、コーティングにも使われます。一般的にテフロンコーティングと呼ばれる表面処理で、自己潤滑性や耐候性を高めます。
フライパンのコーティングや、東京ドームの膜材にもテフロンコーティングが使用されています。これにはPTFEが吸水率がほぼ0のため、雨水などを吸水しない特徴が利用されています。
耐候性は太陽光・温度・湿度・雨などの屋外の環境に対する耐性を示す物性です。耐候性の低い素材は屋外での使用で変質を起こす可能性があります。強度が想定よりも低下し、事故に繋がる可能性があるため、適切な素材選定が必要です。
アクリル・ポリカーボネート・PTFE・塩ビなどが耐候性に優れた素材です。スーパーエンジニアリングプラスチックに分類される高機能樹脂は耐候性に優れています。これらの素材は性能に伴い価格も高価であるため、必要に応じて汎用樹脂と使い分けましょう。
当社はプラスチック素材の切削加工を行う部品加工会社です。
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