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『部品の寸法が、使用環境によって微妙に変わってしまう』『湿度の高い場所で使うと、強度が落ちる気がする』…その原因、実はプラスチックの『吸水性』かもしれません。

本記事では、プラスチック部品の精度や強度に大きく影響する『吸水性』の基礎から、寸法変化の計算方法、そしてナイロン(PA)やアクリル(PMMA)など材質ごとの吸水率比較まで、設計者が知っておくべきポイントを徹底解説。トラブルを未然に防ぎ、使用環境に最適な材質選定を実現しましょう。

吸水率の高い材質

一般的なプラスチック材質は、吸水・吸湿します。中にはほとんど吸水・吸湿しない材質も存在しますが、多くは吸水・吸湿し、特にナイロン系の材質は吸水しやすい傾向があります。下記の表では当社が切削加工で扱う主な材質の吸水率を一覧にしています。（値は参考値であり、保証値ではありません。）

吸水率の高い材質のほとんどはナイロン系の樹脂が占めています。

ナイロン系樹脂の吸水率が高い理由

ナイロン系樹脂は吸水率が高いのは、分子構造に理由があります。分子内にはアミド基（化学式：CONH2）があり、アミド基は親水性を有しています。親水性は水に溶けたり混ざりやすい性質であり、このアミド基が吸水の要因となっています。

吸水の影響

吸水・吸湿した材料は膨張し、寸法変化が起こります。吸水率が高いほど吸水による寸法変化が起こりやすく、この点における寸法安定性には優れません。また、プラスチック材質は吸水することにより、ガラス転移点が下がります。

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