1. HOME
  2. 素材のワンポイント講座
  3. 塩ビ(ポリ塩化ビニル・PVC)の特徴

塩ビ(ポリ塩化ビニル・PVC)の特徴

INDEX

塩ビ(ポリ塩化ビニル・PVC)とは

塩ビ(ポリ塩化ビニル・PVC)は、熱可塑性の非結晶性プラスチックです。塩化ビニルを重合させたプラスチックの一種で、重合度により用途が異なります。五大汎用樹脂の1つで、安価で汎用性の高い素材です。

塩ビ(ポリ塩化ビニル・PVC)の特徴

軟質塩ビと硬質塩ビの2種類あります。軟質塩ビは軟らかく柔軟性に優れ、硬質塩ビは硬く強度面に優れ部品として使われます。本記事では「硬質塩ビ」を「塩ビ(ポリ塩化ビニル・PVC)」として特徴を紹介します。

塩ビ(ポリ塩化ビニル・PVC)の特徴

耐薬品性

耐酸性、耐アルカリ性、耐油性が良好で、汚水中の酸・アルカリ、硫化水素による劣化に強い耐性があります。アルコール類への耐性にも優れます。しかし、芳香族系炭化水素類、ケトン類、エステル類などの有機溶剤には侵されるので注意が必要です。そのためシンナーやアセトンなどが使用される環境には向いていません。有機溶剤に反応しやすい性質を活かして、接着加工や塗装をすることができます。

耐候性・耐食性

塩ビの吸水率は0.07%と、プラスチック材質の中でも低い部類に入ります。紫外線や雨による経年劣化をしにくく、下水道のパイプや建築資材などにも使用されています。酸性土壌による腐食もなく、埋設されると長期にわたって性能を維持します。

電気絶縁性

電気絶縁性に優れ、耐電圧や体積抵抗率にも優れた素材です。しかし誘電率は高いため、高周波絶縁性は良くありません。この特徴から高周波溶着加工が可能です。

耐熱性

塩ビの耐熱性は低く、耐熱温度は約80℃で、それ以上の温度で物性の低下、形状の変化が起こります。線膨張率が高く、常温を超える温度で使い続けると反りや歪みが発生することがあります。また、-20℃以下の低温域で脆化し、衝撃による破損が起こりやすくなります。

難燃性

プラスチック素材の中でも難燃性が高く、燃えにくい素材です。燃焼すると、発生した熱分解ガスの塩化水素が燃焼連鎖反応を止めます。さらに空気中の酸素から塩ビ表面を遮断することで、燃焼の継続を防ぎます。

加工性

塩ビは切削加工に加え、曲げ加工や接着加工も行うことができます。対応加工の範囲が広く、加工性に優れています。

まとめ

塩ビは、耐薬品性・電気絶縁性に優れながらも安価な素材であるため、日用品から建築物まで多くの場面で使用されています。

切削加工の他にも、接着・曲げ加工を行うことができます。耐熱温度が低いため、熱して柔らかい状態にすることで、曲げてレールやフレームのような形状に加工することできます。

塩ビ加工、樹脂加工・プラスチック加工は湯本電機にお任せ下さい。
短納期で高品質の樹脂加工品を大阪・東京から全国へお届けします。

湯本電機では切削加工から3Dプリントまで、様々なプラスチック加工に対応しております。
対応可能な加工については「プラスチック加工・樹脂加工 加工方法一覧」へ。

MATERIALS ONE-POINTMATERIALS ONE-POINTMATERIALS ONE-POINT

プラスチック材質の詳細に関連する
ワンポイント講座

難燃性プラスチック材質の種類と特徴

難燃性とは 難燃性とは、燃えにくく、燃えても自己消火性を持つ材質を言います。プラスチック材質の物性において、難燃性を基準に材質選定をする機会があります。金属材質と異なり、プラスチックは有機物であるため…

プラスチック材質 比較早見表

湯本電機で切削加工を行うプラスチック材質 比較早見表です。この表の数値は参考値であり、保証値ではありません。物性比較の参考程度にご活用ください。「-」の項目は調査中です。 プラスチック材質 比較早見表…

吸水率の高いプラスチック・樹脂材質

吸水率の高い材質 一般的なプラスチック材質は、吸水・吸湿します。中にはほとんど吸水・吸湿しない材質も存在しますが、多くは吸水・吸湿し、特にナイロン系の材質は吸水しやすい傾向があります。下記の表では当社…

樹脂・プラスチックの材質グレード

樹脂・プラスチックの材質グレードの種類 切削加工用材質には、導電性・摺動性・耐熱性・難燃性をそれぞれ改良したグレードが存在するものがあります。。これにより、元となる材質を変更することなく要件に合わすこ…

CONTACT US CONTACT USCONTACT US CONTACT USCONTACT US CONTACT US

お問い合わせ

プラスチック切削加工のご相談は
「即レスポンス・短納期の湯本電機」へ!