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耐熱性・耐磨耗性等の機械的特性に優れた「POM(ジュラコン®)」素材のワンポイント講座


POM(ジュラコン®)の長所・短所

POM(ジュラコン®)とは
POM(ジュラコン®)とはエンジニアリング・プラスチック(Engineering plastic)の一つです。
エンジニアリング・プラスチックが、通常のプラスチックと異なる点は主に強度にあります。
通常のプラスチックよりも大幅に強化されており、耐熱性や耐磨耗性等の機械的特性に優れています。
プラスチックは比較的軽量な素材ではありますが、本来熱に弱く、高温下での使用に耐えることができません。
しかしエンジニアリング・プラスチックはこの弱点が克服されることにより、軽量である樹脂・プラスチックの特性に加えて、高い強度を併せ持つ素材となっています。

POM(ジュラコン®)の長所
機械的強度、耐摩耗性、摺動性、電気的特性に優れています。
自己潤滑性があり、特に金属との摩擦係数が低くなっています。
連続使用温度はホモポリマーが約85℃、コポリマーが約105℃で、短時間なら約150℃までの使用に耐えることができます。
吸水性・吸湿性が小さいため寸法安定性に優れ、耐用性にも優れています。

以上のことからPOMは加工に非常に有用な素材です。しかし弱点もあります。

POM(ジュラコン®)の短所
透明性がありません。
強酸に対する耐性がありません。
耐候性が悪く、屋外での使用には適していません。
対応できる接着剤がないため、接着性がとても悪いです。
酸化指数は15で、プラスチックの中でも燃えやすい素材です。燃やすと青い炎が出て目を刺激するホルマリンの臭いがします。

POMの特徴

名称 比重 弱アルカリ 強アルカリ 弱酸 強酸 寸法安定性
POM 1.41 ×
耐熱 耐燃性 耐候性 耐溶剤 吸水率 食品衛生法
95 遅燃 × 低い

POMという名称の由来はその化学名です。
化学名はポリオキシメチレン(polyoxymethylene)であり、これを省略しPOMと呼ばれています。
一般的にはポリアセタールやアセタール樹脂と呼ばれており、主に(-CH2O-)の構造単位からなる結晶性の熱可塑性樹脂です。
POMにはホルムアルデヒドの結合でつくられたポリオキシメチレンの分子鎖からできているホモポリマーと、ホルムアルデヒドの三量体であるトリオキサンにエチレンオキサイドなどを結合してつくられたコポリマーがあります。
前者はデュポン社のデルリン、後者はポリプラスチックス社のジュラコン®が代表例です。

ホモポリマー
ホモポリマーの「ホモ」は「同質」という意味であり、ポリマーとは高分子を意味しています。
つまりホモポリマーとは全て同じモノマーユニットにより構成されている高分子のことです。
ホモポリマーは炭素-酸素結合のみで主鎖を形成されています。

コポリマー
コポリマーの「コ」は「共に」という意味で、ホモポリマーとは逆で、異質のモノマーユニットにより構成されている高分子のことです。
その中でも2種類のモノマーユニットで構成されているものをコポリマーと言います。
コポリマーはホモポリマーより熱安定性が良く、成型時の分解が少ないため変色やガス発生が低いため条件の温度範囲を広くとることができます。
また、高温時の耐熱水性、耐アルカリ性、耐油性に優れています。

コポリマーはその化学構造のため、ホモポリマーより結晶化度がやや低く強度や剛性はやや低い反面、柔軟性に優れています。
ホモポリマーに比べて融点や熱たわみ温度は約10℃低いですが、実用的な耐熱温度に差はありません。

POMの歴史
ポリアセタール(POM)を初めて開発したのは、世界第3位の化学会社「デュポン株式会社」です。
1952年頃に初めて合成された素材で、1956年に特許を取得し、1960年になって製造開始された素材であります。
開発したデュポン株式会社によってデルリン (Delrin)の商標が登録され、ポリアセタール(POM)ではなくデルリンの製品名で知られています。
また、ポリアセタールは、このデルリンの他に、1961年にアメリカのelanese社(現Ticona社)によって開発され、ポリプラスチックス社によって販売されたジュラコン®が登場しました。
ポリアセタールは1960年代初頭に生産が開始され、すぐにその高い耐磨耗性からベアリング(軸受)に使用が開始されました。
その後も高い強度と滑らかな自己潤滑性、安価というメリットから徐々に世間に広まり、ネジやギア、フルートやホイッスルといった楽器類などにも使用が広まっていきました。
また、それ以外にも電子機器関連のカバーやモジュールパーツ、自動車用部品など強度や耐久性、耐磨耗性といった機能が要求される部分には信頼性の高いプラスチック素材として普及しています。

カラー&サイズ

白/黒
直径φ3mm~φ250mm(センタレス、スーパー含む)の丸棒材から
厚み0.2mm~100mmのシート、板材まで豊富なラインナップ。

POM(ジュラコン®)の用途

プーリ、スイッチ、歯車(DVD他)、自動車部品(燃料ポンプ他)
各種ファスナー・クリップ、軸受(ベアリング)、カム、摺動部材料
機械部品、射出成形品、シート、パイプ、雑貨等が知られています。
最近では、パーツとしての機能性が求められる部分によく使用されるようになり、リコーダーや木管楽器や金管楽器にも使用されています。

POMの原料商品名と製造メーカー

テナック 旭化成ケミカルズ(株)
エコタール インターテック(株)
デルリン デュポン(株)
コセタール 東レインターナショナル(株)
ウルトラフォルム BASF(株)
ジュラコン® ポリプラスチックス(株)
ユピタール 三菱エンジニアリングプラスチックス(株)

弊社ではジュラコン®を主に使用していますが、指定がある際は気兼ねなくお申し付けください。
POM(ジュラコン®)は様々な用途で使用される万能な樹脂のため弊社でもよくご依頼を頂く人気の材料です。

POM(ジュラコン®)加工、樹脂加工・プラスチック加工は湯本電機にお任せ下さい。
短納期で高品質の樹脂加工品を大阪・東京から全国へお届けします。

POMの加工事例はPOMの加工ページで紹介しています。

湯本電機では切削加工から3Dプリントまで、様々なプラスチック加工に対応しております。
対応可能な加工については「プラスチック加工・樹脂加工 加工方法一覧」へ。

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