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ポリカーボネート(PC)とは?高い耐衝撃性を誇る樹脂素材素材のワンポイント講座


ポリカーボネート(PC)とは

ポリカーボネートは、熱可塑性の透明なエンジニアリングプラスチックです。
高い耐衝撃性と透明性・自己消火性を持ちます。
使用可能温度は-40℃~120℃と幅広い用途で使用できます。

ガラスと同程度の透明性を持ち、カメラレンズなどにも使用されます。
透明度はアクリル(PMMA)の方が高いですが、レンズに使用されるようにポリカーボネートの透明性も十分に高いです。

ポリカーボネートをプラスチック切削素材に選択する理由の多くに、高い耐衝撃性が挙げられます。
同じ透明樹脂のポリエチレン(PE)やアクリルと比較すると衝撃への強さは約50倍です。
一般的なガラスと比較すると約200倍以上も耐衝撃性に優れています。
光の透過や内部の視認などのために透明性が必要で、さらに衝撃への耐性が必要な場面で選択されることの多い素材です。

紫外線に強いため、屋外での使用でも劣化しにくく、その強度を活かすことができます。
基本的に割れにくい樹脂素材ですが、傷は付きます。
アクリルよりも傷が付きやすい材質なので取り扱いには注意が必要です。

ポリカーボネートは、加工性の高いプラスチックです。
切削加工に加え、射出成形や押出成形、真空成形やブロー成形などのプラスチック成形方法に対応しています。
3Dプリンター出力にも対応しており、樹脂を溶かして積層する熱溶解積層法(FDM)でも部品製作することができます。

ポリカーボネート加工品

長所

衝撃に強い
プラスチック素材の中で最高の耐衝撃性です。
ABSの5倍、塩ビの10倍、PEやアクリルの50倍の耐衝撃性を持ちます。
ハンマーで叩いても砕けにくく、防弾材料に使用されることもあります。

高い透明度
可視光線透過率は80~90%で、ガラスと同等の透明性です。
ポリカーボネート越しに問題なく視野を確保できます。

寸法精度に優れる
成形収縮率が低いため、寸法精度に優れます。
吸水率も低く、寸法安定性も高い素材です。

優れた自己消火性
火をつけても燃え広がらない、自己消火性を持ちます。

優れた耐候性
ポリカーボネートは耐候性に優れ、屋外での使用に適しています。
洗濯バサミなど、屋外での使用時間が長い製品にも使用されます。
ちなみに、洗濯バサミはポリプロピレン(PP)を使ったものが大半です。
しかしPPの方が耐候性に優れているわけではありません。
ポリカーボネート製の洗濯バサミが珍しいのは、PPと比べると高価であるためです。

注意点

有機溶剤・界面活性剤に反応しやすい
有機溶剤または、界面活性剤のほとんどがポリカーボネートに対し、強い応力腐食性を示します。
ポリカーボネートにアルカリ性の洗剤や、ガラスコーティング材などをかけて放置すると、ひび割れ、変形などを起こすことがあります。

傷が付きやすい
ウエスやブラシで洗浄をすると間違いなく傷が付き、透明性が低下します。
取り扱い方法・メンテナンス方法には注意が必要です。

ポリカーボネート(PC)の用途

ポリカーボネートの用途は非常に多岐に渡ります。
主に精度が高く寸法が安定した、透明性の必要な製品を作りたい条件の際に使われます。

身近なところでは、メガネのレンズやDVD基板に使われています。
ポリカーボネートは割れにくい性質を持つため、保育所や学校など安全性が求められる開口部やパーテーションなどにも適しています。

ポリカーボネートは耐衝撃性と寸法安定性に優れています。
この特徴から、携帯電話に内蔵されているカメラのレンズや、スマートフォンのボディやケースにも使われています。
衝撃と気温の変化に強い素材であるため、携帯する製品への用途も多数あります。
加工性の高さから、iphoneのボディなどデザイン性の求められる場面での使用も目立ちます。

その他、下記の製品にポリカーボネートが使用されることがあります。

  • 光ディスク
  • バイクの風防
  • ヘルメットやヘルメットのシールド
  • 機動隊の盾
  • カーポートやアーケードの屋根材
  • 高速道路の防音板
  • 自動車のヘッドランプ
  • 導光板

ポリカーボネート(PC)の歴史

西ドイツのBayer社により1958年フィルムを、1959年には成形材料として市販されます。
それ以来、エンジニアリング樹脂の1つとして順調に成長し、日本では1960年頃から、帝人化成により生産が開始されました。
現在では多くの企業が参入し、年間30万トン近くが生産されています。

ポリカーボネート(PC)の製法

ポリカーボネートは炭素と酸素と塩素の化合物であるホスゲンと、ビスフェノールA分子から構成される樹脂・プラスチック素材です。
基本的な原料はこの2種類の分子から作られます。
製法は3種類で異なっており、作り方によって分子の密度などが異なります。

製法1:ビスフェノールAとホスゲンを反応させて作る方法
製法2:ビスフェノールAのアルカリ水溶液とホスゲンの塩化メチレン溶液との界面重縮合による方法
製法3:エステル交換法(別名 溶解法)で、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを高温・減圧下で製造します。
この方法で製造されたポリカーボネートは、ホスゲン法に比べて分子量分布が狭くなっています。

ポリカーボネートにガラス繊維やABS樹脂など他の素材を配合することで、より優れたプラスチック素材を作りだすこともできます。
モノマー単位同士の接合部は、すべてカーボネート基 (-O-(C=O)-O-) で構成されるため、ポリカーボネートと名付けられました。
ポリカ、PCと省略されることもあります。また、アクリル樹脂などと共に有機ガラスとも呼ばれています。

ポリカーボネート分子構造

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