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ベークライトとは?特徴と他の素材との違いを解説素材のワンポイント講座


ベークライトとは

ベークライトはフェノール樹脂の一つで、熱硬化性樹脂です。
フェノールとホルムアルデヒドを原料として撹拌し、アルカリ触媒を用いた縮合反応によってフェノール樹脂を生成した後、基材である紙や布を含浸させた積層板(棒)です。
比較的安価でありながら、機械的強度・耐熱性・電気絶縁性・耐薬品性に優れ、汎用的な素材として治具や部品に使用されています。

ベークライト・フェノール樹脂分子構造

植物原料以外から作られた、世界で最も古いプラスチックで、正式名称はポリオキシベンジルメチレングリコールアンハイドライドです。
かつては成形材料として服飾雑貨等の様々な一般消費財に使用されており、耐熱・断熱性の高さからキッチン用品にも用いられていました。

非電導性から電化製品等に使用されるようになると、工業用部品の素材としても注目されるようになりました。
その後大量生産の時代を迎えると、安価で機能性が安定した量産向きのプラスチック素材の台頭により、使用機会は減少しました。
しかし、コストパフォーマンスに優れたベークライトが最適となる場面は依然として多く、現在も製造現場で活躍しています。

ベークライトは紙もしくは布を基材とした積層板として流通しており、絶縁や耐熱などのさまざまな用途で汎用的に使用されています。
積層板とは、強化剤として紙や綿布、ガラスクロスなどの基材に樹脂ワニスを含浸させ乾燥した半硬化状態の「プリプレグ」というシートを、加熱プレスにより完全に硬化させた板のことです。
基材と樹脂の組み合わせによりベークライトの特徴が生まれています。

主に紙ベークライトと布ベークライトがあり、後者の方が少し高価ですが強度が高いです。

ちなみに、庵野秀明さんの作品「新世紀エヴァンゲリオン」にも硬化ベークライトという名で登場し、アダムという胎児を固めたり、ネルフ本部への侵入者を足止めするのにも使われていました。

ベークライトの特徴

耐熱性

連続使用温度が130℃と、汎用エンジニアリングプラスチックの中で高い耐熱性を持ちます。
プラスチックには熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の2種類があり、ベークライトは熱硬化性樹脂に分類されます。
熱可塑性樹脂とは、加熱により軟化した素材を冷却して硬化した樹脂です。
一方で熱硬化性樹脂は、加熱すると熱可塑性樹脂と同様軟化しますが、そのまま加熱し一定温度を超えると急速に硬化する樹脂です。

熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と比べ、耐熱性、耐薬品性、機械的性質などの点において優れていますが、一度加熱による硬化を起こすと再度軟化することがないため、再形成が不可能となりリサイクルできません。
熱硬化性樹脂にはベークライトの他に、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂などがあります。

電気絶縁性

ベークライトは電気抵抗率は10¹²~10¹⁵Ωの絶縁体です。電気絶縁材料として広く使われている素材です。
紙ベークライトは電気絶縁性に優れる材料の中でも特に安価で比重も小さいため、絶縁のみを目的とする場合は布ベークライトより紙ベークライトを使うことが一般的です。

機械的強度

ベークライトは機械的強度に優れた樹脂で、特に布ベークライトは紙ベークライトに比べ更に強度が高く、耐衝撃性を必要とするような場合には布ベークライトが使われます。
ベークライトは積層板ですので、寸法収縮率や機械的強度が方向によって異なります。
寸法収縮率は横方向が縦方向に比べ大きく、機械的強度は横方向のほうが縦方向より弱くなります。
また、積層板は層に垂直な方向には強度がありますが、並行な方向の力には弱いため、積層に並行に力の加わるような加工・使用はなるべく避けたほうが良いです。

ベークライトの機械的強度

吸水性

ベークライトは基材に紙や布が使われているため、吸水率が非常に高い樹脂です。
湿度の高い場所では寸法変化を起こす可能性が高いことに注意が必要です。

耐候性

耐候性は低く、紫外線により劣化します。
酸化による変色が起こりますが、変色して色が濃くなっても物性上の問題はありません。

耐薬品性

ベークライトは耐薬品性が高く、多くの薬品に対しての耐性があります。
アクリル系溶剤に弱く、強酸や強アルカリの薬品への耐性は低いため、薬品を使う環境では使用薬品の確認が必要です。

ベークライトの使用例

ベークライトは電気絶縁材料としてプリント配線基板や、配電盤、変圧器、遮断器、絶縁用端子板などに使用されます。
またボリューム、スイッチなど取っ手やつまみとしても使われています。
高い機械的強度から、様々な治具用素材としても使用されています。

切削加工素材としてのベークライト

上下面は光沢があり滑らかです。
この部分を切削加工すると艶はなくなってしまいます。
積層構造であるため、層に垂直な方向の力には強いですが、並行な方向の力には弱い特徴があります。
層に並行な方向にネジを入れたりするような場合には、より強度の高い布ベークライトを使用します。
更に強度が必要となる場合は、エポキシガラスなどの他の素材を選択する必要があります。

ベークライトの規格・在庫

板の場合、紙ベークライトは厚み0.5~60mm、布ベークライトは厚み0.3~60mmのものが規格にあります。
サイズは1000mm×1000mmと、一部1000mm×2000mmです。

プラスチック切削加工を最短納期で提案するため、一定数を当社で在庫しています。
在庫の種類は1000mm×1000mmの大きさは厚み1mm~50mm、1000mm×2000mmの大きさは厚み2mm~25mmです。
布ベークライトの在庫は1000mm×1000mmサイズは0.5mm~15mm、1000mm×2000mmは4mmと5mmです。
状況によっては在庫が不足している場合もあります。その際は材料手配からの対応となります。ご了承ください。

丸棒の場合、紙ベークライトの規格は3Φ~60Φ、布ベークライトの規格は3Φ~150Φです。長さは120Φまでは1000mm、130Φは500mmです。
在庫としては、紙ベークライトは12Φ~50Φ、布ベークライトは10Φ~80Φを保管しています。
丸棒では紙ベークライト、布ベークライト共に黒色が規格にありますが、どちらも受注生産品です。

ベークライト加工、樹脂加工・プラスチック加工は湯本電機にお任せ下さい。
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ベークライトの特徴・用途などの素材ページはこちら。

湯本電機では切削加工から3Dプリントまで、様々なプラスチック加工に対応しております。
対応可能な加工については「プラスチック加工・樹脂加工 加工方法一覧」へ。

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