熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂とは
高温下で軟化し、再度冷却することで固まる特性を持っています。熱可塑性樹脂は分子間の強力な架橋がないため、加熱によって分子間の相互作用が緩和され、流動性を持つ液状状態になり、冷却すると分子間の相互作用が再び強化されて固体状態に戻ります。このような特性を持つことから自動車部品、電子機器、建築、医療機器、家庭用品、パイプ、スポーツ用具、航空宇宙など幅広い産業で使用されます。軽量性、強度、耐久性、化学耐性など用途に応じて適切な熱可塑性樹脂を選択し、製品の設計と生産に幅広く貢献しています。
例として、ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)、 ポリ塩化ビニル (PVC)、ポリエチレンテレフタラート (PET):、ポリカーボネート (PC)、アクリル樹脂 (PMMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン (ABS)等があります。
熱可塑性樹脂の特徴
【加工の精度】
金属素材に比べれば切削抵抗が小さいので、切削時に発生する熱は比較的少ないです。しかし耐熱温度が低いため加工時に発生する熱の影響を受け変形が起こります。また、気温の影響も受けやすくなります。熱可塑性樹脂でもスーパーエンプラに分類される材質であれば耐熱温度も高く、加工時に発生する熱・気温による影響は受けにくく、高い加工精度の実現がしやすいです。
【環境への貢献】
熱可塑性樹脂は原材料として再利用できるプラスチックとして収集、分別、再処理することが可能です。リサイクルにより使用済みプラスチックが埋立地や焼却場に廃棄される量を削減でき、新たに原材料を採掘・加工する必要がなくなるため、プラスチックを製造する際に必要なエネルギーを節約できます。プラスチック廃棄物の削減、資源の有効活用、温暖化ガスの排出削減など、環境への貢献を意味し、持続可能な製品とプロセスの促進に寄与します。
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