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耐アーク性

物性

樹脂・プラスチックの放電による劣化耐性

アークとは、2つの電極間にある気体に持続的に発生する絶縁破壊(放電)の1種であり、高温で強い光を発するのが特徴です。炭素やタングステンなどの電極を触れさせ、電流を流したまま電極を引き離すと、電極間にアークが発生します。電極間の気体分子が離れ、イオン化することでプラズマを発生し、その中を電流が流れる現象です。生活における身近なアークとしては、通電中のプラグをコンセントから引き抜いた際に発生する、スパークというものが挙げられます。
耐アーク性は、上で説明したアーク放電による材質の劣化に対する耐性のことです。耐ア-ク性が高いと、表面で発生したア-クが消滅する時間が早いので劣化が少なくて済みます。逆に耐ア-ク性が低いと炭化のスピ-ドが早いため、その分部品としての寿命が短くなります。通常、樹脂・プラスチックの表面でアークを発生させると、その高温により分解・炭化します。はじめのうちは電極付近でそれが起こりますが、最終的には炭化した導電路ができます。これをアークトラッキングと呼びます。耐アーク性は、このトラッキングが起こってからアークが消えるまでの時間を測って比較します。
耐アーク性が強い樹脂・プラスチックは、ベンゼン環を含まず主鎖の途中にN(窒素)やO(酸素)などの元素が結合したアミノ樹脂などです。尿素やメラミンなどのアミノ基を含む化合物とアルデヒドを反応させると熱硬化性樹脂が作り出されます。これらは、耐溶剤性・耐油性・電気的特性に優れています。逆に耐アーク性が弱い樹脂・プラスチックはフェノール樹脂です。ベンゼン環濃度が高いため、高温下で炭化しやすいという欠点があり、ア-ク放電とは相性が良くありません。

ア-ク放電が利用されている例としては、照明灯などの光源があります。その中でも、メタルハライドランプと呼ばれる照明灯は、道路やグランド、工場などに広く使用されています。他にも、キセノンランプもアーク放電を利用した照明灯で、こちらは自動車のヘッドライトにも使用されています。別の利用方法としては、放電自体を加熱源として、金属の切断や溶接といった加工にも利用されています。これを放電加工と言います。

樹脂・プラスチック素材別耐アーク性一覧表
PBIPEEKPPSPTFEPAI
186sec23sec115sec>300sec125sec
PBTPVCPOMABSPET
125~190sec60~80sec220sec50~85sec90~120sec
PCPMMAPEUHMW-PEPP
120sec185sec136~185sec
紙ベークライト布入りベークライトエポキシガラスCFRPMC901・MC900NC
45~120sec
MC703HLMC602STMC801MC500AS R116ナイロン
PBNターカイトユニレート赤ファイバーマシナブルセラミック
90~120sec120sec134sec
PVDFロスナボードヘミサルべスサーモミオレックス
50~70sec345sec155~320sec
TCボードサーモバリアカルホンL
180sec10min以上250sec

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